梅雨の晴れ間の明月院
今週のお題「雨の日の楽しみ方」
日本全国とはいかないが、それなりに色々とお寺を巡ってきたなかの、マイベスト…それは
「明月院@北鎌倉」!
どの季節に伺っても素敵なのだが、これまで6月は避けてきた。
紫陽花って開花の期間が長いから、6月でなくても結構楽しめるし、なにより明月院の穴場的な雰囲気が好きなので、敢えて繁忙期に行くのはどうなのか…と思っていたのだ。
雨の中の紫陽花は美しく映える。
しかし、紫陽花が両側に迫る狭い通路、見物客が傘を広げたら鬱陶しさばかりが気になり、花の記憶は残らないだろう。
というわけで、梅雨の晴れ間の今日、北鎌倉へ降り立った。
6月のみ、開門時間はいつもより30分早い、8:30。
(ちなみに拝観料は¥200増しの¥500。)
少し早めに着いたけど、既に開門待ちの行列ができていた。
…もう帰りたくなった。
しかし、折角の休日に早起きして来たのだ。
と、少しして列が進む。
拝観料を納め、スムーズに入山。
元々、紫陽花抜きでも素晴らしいお寺さん。
新緑や、雨に濡れた苔が大変目に優しい。
せせらぎの音色に癒やされる。
撮影スポットである、鎌倉石の参道は撮影待ちの行列ができているが、そこは素通りし、開山堂方面へ。
時期によってお召換えされる、お地蔵さまを拝見。
明月ブルーのお召し物とは、流石、地蔵界のファッションリーダー。
明月院を好きな理由は色々あるけれど、なによりお勤めされている方の、お寺を大事にしているお気持ちがじんわりと伝わってきて、こっちの心も温かくしてくれるから、何度も来たくなるのだろう。
こういうのとか、堪らない…。
以前、何でウサギの置物があちこちにおいてあるのか、伺った事がある。
明月院=月=ウサギ
という事らしいが、合わせて、仏教とウサギとの関係も教えてくださった。
仏教系の幼稚園に通っていたので、当時その物語に曲を付けた歌を習ったのを思い出した。
猿、狐、兎が、山の中で倒れている老人を発見する。
老人を助けようと、猿は木の実を、狐は川の魚を採ってくるが、兎は何も採る事ができず、その非力さを嘆いて自ら火に飛び込み、その肉体を提供しましたとさ…。
ちなみに、その老人の正体は帝釈天だったそうで…。
自分なら、ウサギさんにモフモフしてもらうだけで、その愛くるしさで空腹の辛さも忘れそうだし、木の実と魚で十分満足なんだけど。
というわけで(?)、ウサギだけでなく、小動物全般に優しい明月院。
野生のリスの餌台も設置してある。
小鳥もそれをお裾分けしてもらっている。
本物のウサギ達もいる。
白兎のモモちゃん。
ご飯が済んで、毛繕い中、ぼーっと見惚れていたら正面を向いて静止し、こちらへ目線を下さるではないか。
「撮るなら早く撮れよ」
「…は、はい」
折角のご行為を無駄にしないよう、ご尊影を撮らせて頂く。
撮ったのを見計らってか、用は済んだと言わんばかりに愛くるしいお尻をくるりと向け、小屋の奥へと去って行った…。
他にも、小屋の屋根に日の丸が立ててあったり、トイレ前の花壇がお花畑状態に整えられていたり、枯山水にカエルの置物がちょこんと置かれていたり(今までいた、カニさんはいなくなっていた)とにかく、ほっこりスポット満載のお寺さん。
花菖蒲の時期には、後庭園が公開され、こちらも素晴らしい。
数年前に訪れた際には、一般の観光客だと思われるが、全身ヒラヒラで紫尽くめの「花菖蒲の妖精」のような身なりをした白人がいて、ちょっとビックリした。
今日は時間が早かった為、まだ開店前だったが、茶室「月笑軒」へも、また立寄りたい。
外観は純和風なのに、店内は様子が変わり西洋アンティーク風のしつらえ、窓の外には沢山の紫陽花が咲き誇って、まるで絵画のようだし、時折聴こえる水琴窟も良い。
明月ブルーの紫陽花も満喫でき、20分という短い滞在ではあったが、大満足で北鎌倉を後にした。
気持ちの良い、梅雨の晴れ間の良き休日であった。